グーグル監視委員会(仮)は、グーグルに代表される検索サービスによる名誉毀損、プライバシー侵害を根絶することによって、人類の知的遺産が、より有効適切に活用される社会を目指します。
◆ インターネットによる情報検索
インターネット上には、ありとあらゆる情報が満ち溢れています。
しかし、ネット上の膨大な情報は玉石混淆です。従って、真に有益な情報を入手するには、各人が欲する情報が、ネット上のどこに存在するのかを知ることが不可欠です。そのために生まれたのが、インターネット上の検索サービスです。
ところが、初期の検索サービスは、検索語として指定された文字を含むサイトを、手当たり次第に検索結果として表示するだけでした。そのため、本当に知りたい有益な情報が掲載されたサイトが検索結果の上位に表示されることは稀でした。
例えば、頭に「日新」という文字がつく「日新なんとか」という会社について調べるとします。「日新」と入力して検索ボタンをクリックすると、検索結果として、朝日新聞や毎日新聞、「本日新装開店」といったサイトが次々と表示されるのです。確かに、みな、「日新」という二文字を含むサイトには違いないのですが、ユーザーの意図したサイトではありません。
◆ グーグルの登場
今から十数年前、そんな検索サービスが当たり前の時代にグーグルが登場したのです。
グーグルは、ユーザーにとって本当に必要な情報とは何なのかを解析して、ユーザーが求める情報が掲載されたサイトを上位に表示することにより、数ある検索サービスの中で抜きん出た存在となりました。
そして、今や、「検索する」と言う代わりに「ぐぐる(google)」と言うように、グーグルは、検索サービスの世界標準となっているのです(我が国では、未だにヤフーも、それなりのシェアを保っているようですが、検索エンジンそのものは独自開発を諦めてグーグルから提供を受けています( ヤフー株式会社のプレスリリース 2010.7.27)。
グーグルは、単に検索サービスの世界標準となっただけではありません。グーグルマップや、グーグルストリートビューなど、これまでは考えられなかったような多彩な情報を次々と提供してくれるようになりました。
こうして、今や、グーグルは、情報収集には欠かせない存在となったのです。
グーグルは、今や、情報収集の手段として欠かせない存在となったのですが、その反面として、深刻な被害をもたらすようになりました。
◆ グーグル登場以前の社会
人が逮捕されたという事実は、それが無名の一私人による極めて軽微な事件に関することでも、新聞記事として掲載されることがあります。
新聞記事になれば、何百万という読者の目に触れることになります。けれども、逮捕された人を個人的に知っている人は別として、逮捕された人の氏名など、よほど珍しい名前でない限り、人々の記憶には残らないでしょう。そして、一か月もすれば、記事が掲載された新聞紙は古紙として回収され、記事が再び人の目に触れることはないのです。
このようにして、ある人が逮捕されたという事実は、一度は新聞に掲載されたとしても、時の経過とともに、忘れ去られて行くのです。
◆ グーグルの登場
ところが、インターネットの普及と発展によって、状況は一変しました。
新聞社は、紙媒体としての新聞に記事を掲載するだけでなく、自社のウェブサイトにも、記事を掲載するようになりました。
そして、新聞社のサイトの記事は、「ニュースまとめサイト」と言う、ニュース記事を手当たり次第に掲載している無数のウェブサイトに、瞬く間に転載されてしまいます。
その結果、個人の氏名を検索語として検索すると、その個人が逮捕されたという記事が掲載されたウェブサイトのアドレスと内容が、無数に表示され、しかも、そのような状況は半永久的に続くのです。
こうなると、一度でも逮捕されると、再就職は極めて困難です。また、病院へ行くにしても、看護師さんが興味本位に自分の名前で検索するのではないかと思うと、自然と足が遠のいてしまいます。銀行の窓口にも行けません。ふとしたきっかけで親しくなった人に本名を明かすのも躊躇してしまいます。
このように、一度でも逮捕されると、その人の将来は、全く閉ざされたものとなってしまうのです。
逮捕された人が、実際に犯人であり、有罪判決を受けたとしても、これに対する制裁は、本来的には、国家が課す刑罰であり、また、これに加えて、勤務先からの懲戒処分というのが、これまでの社会でした。
ところが、インターネットが登場し、グーグルのような優秀な検索ソフトが登場した結果、、一度でも逮捕された人は、一生逃れることのできない社会的制裁を加えられることになったのです。刑罰としては、執行猶予、あるいは、有期刑で終了したとしても、社会的には、終身刑に処せられたに等しい制裁を加えられるのです(
讀賣新聞 2012.10.20)。
一度逮捕され名前が出たら、もう人生は終わり。こんな社会でいいのでしょうか。
こんな社会を変えるために、2013年9月2日、グーグルを被告とする訴訟を提起したのです。
訴訟で差し止めを求めたのは、以下の2点です。
@原告が逮捕された事実を、検索結果として表示すること
A原告が逮捕された事実を記載したウェブサイトへのリンクを、検索結果として表示すること
この訴訟は、マスコミの関心も高いようです。
京都新聞 http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20130919000023
毎日新聞 http://mainichi.jp/select/news/20130919k0000e040241000c.html
讀賣新聞 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130919-OYT1T00510.htm
グーグル監視委員会(仮)は、検索サービスによる名誉毀損、プライバシー侵害を根絶するために、以下の活動を行います。